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◆卒業。

忙しい一日。

◆朝、馬場からタクシーで新宿に行く。
化粧、合わずに顔が腫れる。(私は基本的にオカマ以外の男性に化粧されるのが嫌いだ。)

写真館で写真を撮って、吉兆で懐石をいただく。
「おめでとうございます。」と、お赤飯のサービス。
嬉しい。こういうのがおもてなし。よい心遣い。


◆タクシーで四ッ谷に向かう。
学位をもらう。

学科の救世主、キノシタさんの挨拶が心にひびく。

「年を重ねるとあまり感じなくなるです。嬉しいとか、悲しいとかいう感情がでてこない。
若いうちは悲しいことがあるとすごく落ち込んだのに。」

だから若いうちの感情を、大切にしてください、と彼女は言った。


◆タクシーで新宿、着替えてタクシーで青山。
幹事なのに遅れた。

黒いレースのグローブを、クラッチに付いたラインストーンにひっかけながら、人の輪をまわる。

好きな先生が、近くにお住まいだということが発覚。
一人にしか喋ってないのに、先生方はなぜか私の進路をご存知だった。


◆9時に撤退。タクシーでヒルズ。
ガールズトーク。コスモポリタン。
過去と将来の話を少々して、シンデレラ帰宅。

駅からタクシー。

車屋さん、大繁盛。



◆スピーチである先生が、いいことがあった日や、ずっと一緒にいたいと思う人が沢山いる場から帰宅するときは、来た時と同じ道を通って帰るのだと教えてくれた。
それは葬式の帰り道に来た道を帰らないということの、逆の理屈である。




◆卒業式の一日は、あっという間に過ぎてしまった。
それはまるで私が大学で過ごした4年間のようで、楽しくも儚くもあった。
すべてが意味のある、ものだった。
出会った人たちは、酸素みたいに必要な人たち。
火がついたり、水になったりもした。
でも、永遠に失えない人たちだった。



窓を流れるネオンを眺めていたら、ほんのすこしだけ、ファンデーションが溶けて流れた。









「次の交差点、右折でお願いします。」












◆東京のタクシーは、意外に同じ道を通っている。






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